Goldwin × 履物関づか

Goldwinの関西エリア初となる旗艦店「Goldwin Kyoto」がオープン。
その記念として京都の履物専門店「履物 関づか」との限定コラボレーションアイテムを発売します。
デザインは、履物 関づかで展開する定番モデルをベースに、日本古来の履物文化を尊重しつつ、現代のライフスタイルに自然と溶け込むよう再構築。履き心地と佇まい、その両方にこだわったこの一足は、日常生活に寄り添う機能性と細部にまで宿る美意識が共存する製品です。

PRODUCT

BLACK TAN

Goldwin/Hakimono sekizuka

Color : BLACK, TAN
GWSK25S001 / ¥63,800 (税込)

履物職人・関づか氏が展開する定番モデルをベースに、日本古来の履物文化を尊重しつつ、現代のライフスタイルに自然と溶け込むよう再構築。台には、上質な天然の皮革を採用し、ソールには登山靴に用いられる、優れたグリップ力と耐久性を誇るヴィブラムソールを搭載。鼻緒部分にはアパレル生産工程で発生した残布を再利用し、環境への配慮と機能性、足をやさしく包み込むような設計を両立させました。

Goldwin × Hakimono sekizuka

INTERVIEW

京都で生まれた現代と伝統の新たな共鳴。
「履物」を巡るインタビュー

関西エリア初となる旗艦店「Goldwin Kyoto(ゴールドウイン 京都)」のアイコンプロダクトとなる「履物」を共同製作した、京都の履物専門店「履物 関づか」の店主関塚真司氏(以下敬称略)にお話を聴いた。

photo: Yoko Takahashi / interview & text: Tatsuya Iwasaki(Magasinn, inc.)

── まず、関塚さんの活動について教えていただけますか?

関塚:2020年4月に、履物を専門に取り扱う『履物 関づか』と、ギャラリー『岩倉AA(ああ)』を京都にオープンしました。履物専門店としての開業は日本で数十年ぶりのことだったそうです。新規参入がとても珍しいジャンルだと言われます。
新潟で生まれて、東京に出てフランスの革靴メーカーに勤務した後、京都祇園の誂え草履の老舗で履物製作に従事しまして、十数年の修行を重ねて独立しました。
最近ではファッションや伝統産業の領域と垣根を超えてコラボレーションする履物の製作も増えてきましたね。

世界中から製作依頼が届く履物を、関塚氏自らの手で誂える

── 「履物」とは何を指すのでしょうか?

関塚:西洋の靴、ルームシューズ、下駄、靴下などは、すべて『履物』です。ぼくが作っているのは『日本の履物』ですね。日本の履物の大きな特徴は、左右対称であることです。

左右を入れ替えて履くことができる草履

うちの履物は、洋装に合わせて履く人が半分、和装に合わせる人がもう半分。この比率は理想的だなぁと思っています。
履物が媒介となり和装と洋装の垣根を超えてほしくて、うちの履物に合う『洋服』を販売するギャラリーを併設したくらいですから。

── ゴールドウインとはいつから接点があったのでしょうか?

関塚:雪国で生まれ育って、小学生の時にスノーボードを始めました。大人になってからも毎年冬には仲間たちと雪山に入るのですが、数年前からゴールドウインのギアやウェアを愛用していたんです。バラクラバや小物類は魚釣りに出かける時にも使っていますね。
街で過ごす時にも、厳しい山を登る時にも、気がついたらいつもそばにいてくれる相棒のような存在なのかもしれないなぁ。
何かの領域で一番になりたくて日本の履物というジャンルを選んだのですが、ゴールドウインの名前の由来が金メダル、ナンバーワンにあると知って、さらにシンパシーを感じました。
そんな時、ゴールドウインの皆さんがお店に来てくださったんです。履物を誂えさせてもらったり、他愛もない世間話や今考えていることや取り組んでいることを交わしあったりしていました。楽しい時間でしたね。

誂える手を止めずに、お客様との対話を重ねていく

── 今回のコラボレーションはどのような経緯で実現しましたか?

関塚:ある日急に、友人でありゴールドウインのリテールパートナーでもある株式会社バディーの堂阪さんが店に来られて、いつになく豪華なフルーツの手土産をいただいたんです(笑)。
そうしたら、『関塚さん、コラボレーションの依頼をかんたんに請ける人じゃないって知ってるんですけど、今度京都店ができる時に履物を一緒に作ってもらえないでしょうか?』ってものすごく丁重にお話をいただいて。
二つ返事でやる!ぜひやらせてください!って答えました(笑)。
そこからとんとん拍子に履物が出来上がっていきます。

── ぜひ共同製作の過程を詳しく教えてください。

関塚:ゴールドウインの製品を愛用していますから、商品ラインナップを常に把握していて素材やカラーリングは理解できていました。
その知識がある上で、元々の専門であるお客様に履物を『見立てる』という行為を掛け合わせると、すぐに具体的なイメージが湧いてきました。

Goldwin/Hakimono sekizuka TAN
Goldwin/Hakimono sekizuka BLACK

ゴールドウインの企画担当の方にいくつかの履物の素材やパーツをお見せすることから対話を始めて、某高級メゾンが使うカーフ(仔牛の革)を加工した水に強い素材を手に取られた時に、質感の上品さと耐久性、そして使い勝手の良さに共感いただきました。
鼻緒には、高い防水性と透湿性を備えた生地の残布を用いて、機能に加えてゴールドウインが大切にする環境性にもアプローチしています。

水に強い高品質な天然皮革に、アパレル生産工程で発生する高機能生地の残布をアップサイクルした鼻緒が交わる

── 関塚さんとゴールドウインの間に阿吽の呼吸を感じます。

関塚:人間関係と一緒で、普段から接していると物事がスムーズに進みますよね。
『履物 関づか』は個人で全て仕上げている分、針の穴を通すような感覚で対話から生まれたアイデアを精度高く落とし込んでいける。

とても感覚的な部分ですが、今回の履物はVibram社製のメガグリップソールがゴールドウインコラボとして『ちょうどいい』と思ったんです。
初めて見るような新鮮味もあるし、昔からこうだったような馴染み感もある。現代の街履きにもいいし、山や自然ともフィットするはずです。

登山靴に用いられる優れたグリップ力と耐久性を誇るVibram Sole(ヴィブラムソール)を搭載

とてもいいものができました。

── 最後に、この履物を身につける方々へメッセージをいただけますか?

関塚:一緒に色んなところへ出かけてほしいですね。
家の周りを散歩したり、街でショッピングしたり、旅に出かけたり、車に積んでおいてアクティビティ後のリカバリーシューズとして使ったり。
毎日のように裸足で履いても全く問題ありません。

ぼくは草履でバスケットボールもしますから笑、たくさん使って相棒にしてもらえたら嬉しいですね。